2013年2月20日水曜日

大怪我



















申し訳ないの一言しか出てこない。
自分の不注意から藍瑠に大怪我をさせてしまった。
何を言っても言い訳にしかならないが、今後を鑑み怪我をさせてしまった状況と経過観察は随時していく。

午前8時過ぎ。
場所は自宅から徒歩1分。
何時もであれば、8時前には通過していた場所だが、何かある時というのは、その前段階にも何時もとは違う流れがあるということを、21年前、自分の身を持って体験していたハズなのに、その流れを捉え切るコトが出来なかった。
今はそれが悔しくて仕方がない。

事の起こりである。
以前は某大手企業の寮だった建物のエントランスの前を横切ろうとした際、バン!という大きな音と共に肌に感じられる風圧を感じたのに驚き、自転車のブレーキを目一杯かけた。
その瞬間、同じく驚いた藍瑠が自転車の左側から自転車側へと体の向きを変えたのが目に飛び込んできた。
慌てて回避を試みたが、間に合わずに左前足が僅かに前輪の下側に足先が入ってしまった。
当然、リードは自転車の前に出てしまうような長さはないし、接触自体するハズはなかったのだが、セッティングしてからの藍瑠の成長分の調整を怠った結果が今回の事態を引き起こしてしまったのは間違いない。
しかも、出ていたとしても時速6キロ程度であったハズなので、ブレーキをかけずに乗り越えていたなら軽い打撲くらいで済んだかもしれないが、ブレーキを強くかけたところに入ってしまったため、縫合が必要な程の深い裂傷を負わせてしまった。
幸い骨に異常は見られなかったが、腱や神経などに症状が残る可能性は捨てきれない。
何より、痛い思いなどさせずに済んだハズなのに、4ヶ月の藍瑠が痛いと苦しんでいる様子を見ると本当に切なくてやり切れない。
人間の子供だったら泣き叫んでいることだろう。
現に、負傷直後の藍瑠の叫びはそれでは済まないほど悲痛なものだった。

原因の発端になった音と風は、元寮が老人ホームへの改装工事中で、無能な工事人がエントランスの前でコンパネを落としたからだった。
エントランス前から歩道までは2メートル程。
もし、犬でなくても心臓の悪い方がその場に居合わせたらショック死していてもおかしかないような状況だった。
藍瑠が痛みに叫んでいるのをへらへら笑いながら見ていた輩に言いたいコトが山程あったが、藍瑠の状況確認と一刻も早い治療をお願いするため、一瞥もくれずにその場は去った。
実際問題とすれば、そうであっても、藍瑠に怪我をさせないような状況を作り上げられなかった自分が悪いのだ。
ただ、何時もだったら8時前に、その前は通過するハズが、今朝に限って8時を過ぎた。
それにも理由があるが、それは意図したことではないし、決して原因とはなり得ない。
8時を過ぎれば工事が始まる。
そのコトに考えが及ばなかったコトが元凶なのだ。

藍瑠、本当にゴメンな。
瀬菜、頼むからエリカラをした藍瑠に優しく接しておくれ。